介護はプロに、家族は愛を。

ノンフィクション・戦記・世界情勢
著者石川治江

この本を読書記録に登録する。

読者ナンバー
パスワード (パスワードを忘れた場合はこちらから調べられます。)
評価
コメント
 

がっち [2008年04月21日(月)]

評価:

著者の石川さんは、NPO法人『ケアセンターやわらぎ』の代表理事である。
やわらぎでは、在宅で生活する人々の介護を行ったり、
ケアマネジメントをしている。

タイトルどおり、介護はプロが行うというのが、石川さんの理念である。
家族が介護をするということには、様々な点から、限界が生じる。
介護者の身体、精神的なことや、
現場で様々な事例をみてきているプロというのは、
何よりも『経験』がある。
また、日本の風習では、介護は女性が行うもの、
というのが、暗黙の了解となっている。
近所の人など、周りの目などが気になり、施設に入所したり、
ホームヘルパーを頼むのを避ける人も多いそうだ。

この本では、石川さんの見てきた事例を通して、
利用者当人との関わり、
その家族との関わり、
利用者と家族との問題への介入、

日本の制度に着いて、
ケアプランの立て方、

など、
在宅で生活する高齢者、家族、周りを取り巻く環境
などについて述べている。

「高齢者がケチな国は概してよくない」と石川さんはおっしゃる。
それは、なぜケチになるのかというと、老後の暮らしが心配で、
不安だから金を貯めるからであって、それは高齢者が生活する時の選択肢の少なさが原因だという。
私の勝手な想像かもしれないが、日本の高齢者は、ケチというイメージがある。
ということは、日本の制度はまだまだ発展途上だということではないだろうか?
高齢者がお金がなくても安心して、安定した生活が送れるような
制度づくり、地域づくりが必要だと考える。

最近の私は、ケアマネージメントに興味がある。
やわらぎではケアマネジャーのことを、コーディネーターというが、
この仕事は、本当に負担が生半可なものではないという。

ケアプランの作成、家庭への介入など、責任を考えればきりがないが、
このケアマネジャーの仕事というのが、ほとんど、
ケアプランの作成と給付の管理に忙殺されるらしい。

ケアプランというのは、だいたい1週間ごとに作成されるが、
やはり毎回同じというわけではなく、
改善、改良されていく。
また、給付については、その家庭ごとに状況は異なるし、
複雑化していくのだろう。

本当に大変そうで、私に出来るか心配になった。

一番衝撃的だったのは、南さんという利用者の死だ。
あまり詳しく書かれていないが、
利用者の自殺というのは、介護者にとって、相当なショックだと思う。

身体的なケアはもちろん、精神的なケアというのも、本当に大切だと思う。


沖縄のお年寄りの話【p150】
利用者と職員の信頼関係、親交の深さに感動した。
職員はみんなカメさん(利用者)が大好きだというのは、
将来自分もこうなりたいと思わせた。

「お年寄りは親戚みたいなものだから」
「親戚のばあちゃんちへ行くのと同じだよ」
沖縄に行って働きたいと思った。

結縁(ゆいまある)という、お互いが助け合う風習がり、
地域の中で、助け合い、支えあいながら生活しているという。

これぞ、古きよき日本の風習であり、
現在の福祉の目指すところなのではないだろうか。


日本で一番高齢化が進む地区【p156】
山口県東和町は、高齢化率48.13%だという。
中でも、沖家室という地区は、なんと、72%だという。

沖家室では、月2万あれば生活できるというから驚きだ。
今度機会があったら是非行って見たい。
この地区の高齢者福祉はどうなっているのか。


この本を読んで、在宅介護について、ますます興味を持つようになった。


top
by/ ホームページ制作・グラフィック・WEBデザイン 8pweb
グラフィック・ウェブデザイン、DTP、ITシステム モリ
@メール・SEED (シード) モバイル電子名刺システム
WEBデザイン ことはじめ
すみません、取り乱しました。