評価:
村上春樹の「1Q84」に出てくる教団は、ヤマギシ会がモデルである。
そういう説がある。参考まで、読んでみた。
本書によると、ヤマギシ会の理念は「ヤマギシズムをもとに、世界を〈無所有一体〉の
理想社会に塗り替え、世界中の人を幸福にしたい」(p33)という。
ヤマギシ会は、
53年に、山岸会として発足し、養鶏家であった山岸巳代蔵が提唱した。
「1Q84」では、いわゆる全共闘時代に、
一つの団体が分かれ、一方が、ストーリィに関係する団体になったと思う。
連想される部分を、まとめてみよう。(309〜310)
70年代前半に、学生運動に挫折した学生たちがコミューンに憧れ、ヤマギシ会は、
ヤマギシ会を実践する農場に、大量に流れ込んで来た。
話は前後するが、61年に先代が亡くなると、
リーダー的路線であった運動路線の中井一夫と、
経済路線の杉山利治のあいだで、権力闘争が起きた。
(後者により、過激な路線に変更される)
同じ対象でも、ヤマギシ会に入会している人と、
一般の人では、見え方が異なるのも「1Q84」的かも知れない。
余談になるが、オウムを思い出させる記述、
ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」のキャメロン教授の洗脳実験を
思い出させる記述もあった(たとえば、時間が分からないようにするとか)
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